はじめての舞台、大きな一歩 ―補習校の朝礼ってどんな時間?
- bundang-nihongo
- 5 時間前
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日本語補習校では、2か月に一度、“全校朝礼”が行われています。
土曜日の朝、いつもより少しだけピリッとした空気のなか、子どもたちは教室ではなく、スクリーンが設置された大きな教室に集まります。
海外で暮らしていると、「みんなで集まる」という光景は意外と少なく、保護者としては、朝礼が行われるたびに、日本らしい雰囲気に懐かしさを感じさせられます。
そんな“全校朝礼”は、日本語補習校ならではの大切な行事のひとつ。今日は、その様子をご紹介したいと思います。
今年の朝礼の様子
朝礼は、毎年4月、6月、9月、11月の全4回実施されます。担当は4年生で、季節に合わせたテーマをもとに、3人ずつの担当に分かれ、お話を用意してくれます。
また、4年生の保護者の中から「朝礼係」が選ばれ、お話の内容をまとめたり、リハーサルを実施したりと、子どもたちと一丸となって準備を進める行事です。保護者も一緒に関わることで、子どもたちの成長を間近で見守れる、特別な時間となっています。

今年の4月の朝礼では、「大阪万博」をテーマに、司会・お話・クイズの3つの役割に分かれ、それぞれが準備を重ねました。4年生の一番手として緊張した中で、当日は約15分間、堂々と発表し、しっかりと会を進行してくれました。

また、6月の朝礼では、「6月」をテーマに、日本やアメリカの行事について紹介したり、「カエルの歌」の大合唱が行われたりと、大盛況。素敵な時間を子どもたちが自発的に作ってくれていました。
全校生徒の前で日本語で話し、会の雰囲気をまとめあげる貴重な体験。保護者にとっても子どもたちにとっても、かけがえのない時間となります。
仲間と協力しながらひとつの行事を作り上げることで、子どもたちの心には、きっと大きな達成感と学びが残ることでしょう。
朝礼の担当した子どもたちのことば
実際に朝礼を経験した子どもたちに感想を聞いてみると、こんな声が返ってきました。
「たくさんの人の前でお話しすることができて、とっても楽しかった!」
「自分で自由にテーマを考えて、調べて内容をまとめることができたので、いい経験になった!」
「また朝礼をやりたい!」
ついこの間まで、日本語もままならなかった子どもたち。保護者としては、「大勢の前で話すなんて大丈夫かな?」「うまくできるかな?」と心配してしまいがちですが、子どもたちはそんな不安をよそに、準備も発表も楽しんでいる様子でした。普段の授業では味わえない経験ができたことが、自信や満足感につながったのかもしれません。
朝礼を担当した保護者のことば
今回は、6月に朝礼係を担当した4年生の保護者の方が、以下のように朝礼の感想を書いてくれました!
「補習校に通い始めた時、我が子はまだ1年生でした。教科書の音読もたどたどしく日本語がしっかり定着していない子供を横に、4年生の子達が朝礼で日本語をすらすら、堂々と話す姿がとても眩しくみえました。
あっという間に数年が経ち、いよいよ今年は朝礼を担当する立場です。仲間の3名で役割を決めるところから始まりました。人前で話をする事が好きな長男は司会を担当し、各々持ち分3分を目安に6月に関連した好きなテーマで話す事にしました。
今回の内容は長男が体験入学で過ごした日本の小学校の恒例行事「山の学習」について、アメリカから編入した仲間が過ごしたアメリカの修了式の様子、梅雨にちなんで朝礼係がリードをしながら全員でかえるの大合唱をしました。
正直なところ、親の立場からすると原稿を考え、資料をつくり、練習を促し・・・ 忙しい日常がさらに忙しくなりました・・・
しかし、、、子供達は朝礼の日が近づくにつれ、私から言うでもなく自主的に集まって練習し、私が気づかない細かい動きまで自分達で確認、打ち合わせする姿を見せてくれました。主体的にチームで何かを作り上げようとする姿を見て、これは教室内では学ぶことができない、とてもいい経験になったと思っています。
朝礼が終わったあと、子供達が発した第一声は「楽しかった~!」でした。子供達の新たな一面を見る事ができ、私も嬉しく、楽しかったです。」
最後に

日本語補習校は、子どもたちにとって現地の学校とは違う、日本らしい教育に基づいた貴重な経験ができる場でもあります。授業だけでなく、こうした行事を通しても、さまざまな力が育まれ、日本語を通して一人ひとりが成長していく姿を見ることができました。
朝礼行事は、保護者にとっても、子どもたちの新たな一面を知ることができる、非常に有意義な時間となりました。
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