子どもたちの未来をひらく「総合クラス」の学び
- bundang-nihongo

- 11月30日
- 読了時間: 4分
アンニョンハセヨ!ブログ係、4年生保護者です。
11月になり、韓国の首都圏はすっかり冬の気配が漂っています。この季節になると、日本との気候の違いを改めて感じます。
今年度、日本語補習校では新たな試みとして「総合クラス」を開設しました。年齢が上がるにつれ、学校生活・進路・人間関係など、子どもたちの悩みも多様になり、日本語学習を継続することに難しさを感じる家庭も多くなります。
そんな背景のもと、「国語の授業」という枠組みにとらわれない学びの時間を提供したいという思いで始まったのが、この総合クラスです。
今日はその授業内容の一部をご紹介したいと思います。
韓国ブンダン日本語補習校「総合クラス」とは?

今年度の総合クラスでは、中学1・2・3年生がひとつのクラスとなり、従来の「国語の教科書に沿う学習」とは異なるアプローチで学びを深めています。
国語科の学習に加え、プロジェクトワークやキャリア教育など、多角的に思考を深めるカリキュラムを実施。日本語学習へのモチベーション向上をめざし、クラス全員でJLPTやJPTの受験に取り組んでいるほか、生徒主導で補習校初となる遠足を企画・実行するなど、幅広い活動に挑戦しました。
今年初の試みということもあり試行錯誤しながらのスタートでしたが、どの授業も子どもたちの将来を見据えた、非常に意義のある時間となっています。
中でも注目すべき取り組みが「ゲストスピーカー招へいプロジェクト」です。保護者アンケートの作成から依頼連絡まで、生徒たちが中心となって進め、最終的におふたりのゲストをお迎えして特別授業を実現させました。
以下、担任の先生からいただいた特別授業の報告の一部をご紹介したいと思います。
生徒が決めた特別講師の授業紹介
① 8月23日 補習校5年生・2年生の保護者(お父様)

テーマは「人生について考えてみよう」。ご自身の経験、とくにカジノのエピソードを交えながら、生徒たちと対話形式で授業してくださいました。生徒たちはカジノ体験(ブラックジャック)に大興奮!とても盛り上がりました。
生徒からは「お金と自分の幸せについて考えてみるいい機会になった」「(授業で紹介してくださった元日本代表・本田選手のスピーチを視聴して)『いつかは死ぬ。』『生きたいように生きろ。』という言葉を聞いて、今までの悩みごと、これから向き合う障壁に立ち向かうことができればいいなと思いました」など、前向きな感想がたくさん寄せられました。
準備してくださった先生、貴重なお時間を本当にありがとうございました。
② 10月11日 卒業生保護者(お父様)

テーマは「QDCS」「3C」「壁」の3つ。ビジネスの視点を交えつつ、中学生でも“自分の進路”として考えられる内容を3時間かけてお話ししてくださいました。
授業報告を読むなかで、
「壁を乗り越える、壊す、避けるなど、4つの向き合い方がある。」など、壁との向き合い方について、Mr.childrenの「終わりなき旅」という曲を通して、お話ししてくださった点がとても印象的でした。
授業を担当してくださった先生からは
「将来どんな道に進むにしても、日本語と韓国語の両方ができるという点が皆さんの武器でありアイデンティティになると思いますし、それがライバルに勝つポイントになります。日本語力の重要性を改めて理解して自分のステップに合った形で勉強を続けていってくださいね。」
という熱いエールが送られました。
担任の先生からも「生徒みんな、中学まで日本語の勉強を続けていた甲斐あって、大人とこんな深い話ができるようになったのね……と、感慨深かった」という感想をお話ししてくださいました。
総合クラスを準備してくださった先生方、本当にありがとうございました。
この経験はいつかきっと、生き方や未来の柱に
総合クラスの取り組みは、単なる「国語の授業」を超えて、子どもたちが自分の生き方や未来について考えるきっかけを与えてくれる貴重な時間になっています。
日本と韓国というふたつの文化の間で育つ子どもたちだからこそ、多角的な視点で世界を見つめ、自分の未来を主体的な姿勢で描けるようになるサポートはとても意味のあることだと感じます。
振り返ってみると私自身も、学校以外の場所での大人との交流や、子どもの頃に出会った何気ない経験が、のちの人生の柱になったり、自分らしさを形づくる軸になっているように思います。同じように、いま子どもたちが総合クラスで得ている学びも、いつか確かな力になるはず。
私たち保護者が想像しきれなかった未来を、子どもたちが伸びやかに切り開いていく姿をこれからも見守るのがとても楽しみです。

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